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今日の読売新聞

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アザラシ被害 悩む襟裳岬
「絶滅危惧」 捕殺直前 環境省「待った」

北海道の襟裳岬周辺で今春、環境省が予定していた絶滅危惧種・ゼニガタアザラシの試験捕殺が急きょ見送られた。増えすぎたアザラシは地元に深刻な漁業被害をもたらし、同省も一度は捕殺を認めた。だが石原環境省「捕殺することと漁業被害が減ることの因果関係が不明確だ」と指摘して覆り、地元では不満も出ている。(吉良敦岐)

■トッカリ食い

昆布の香りを含んだ潮風が吹き抜ける襟裳岬。漁船で突端部に広がる岩礁群に近づくと、何十頭ものアザラシが所狭しと寝そべっていた。腹をみせてあおむけになっている姿は愛嬌があるが、周囲を見回すとざっと100頭はいる。「満潮で岩が水面下にあるので、これでも少ない方だ」見た目はかわいいし、殺すのはかわいそうだけど、漁師の立場もある」。船を出してくれた旅館経営の佐々木善幸さん(72)の表情は複雑だ。
ゼニガタアザラシの名前の由来は、穴の開いた銭のような模様が体にあること。体長1メートル70~90でミズダコやカジカ類など北海道の豊富な魚介類を食べている。沿岸に定住する性質があり、襟裳岬周辺での岩礁ではいつでも見ることができ、えりも町の観光資源にもなっている。
道東では現在約1000頭が生息しているが、毛皮目的の乱獲が原因で1970~80年代は約350頭にまで減った。環境庁(当時)は98年、絶滅危惧ⅠB類に指定し、保護に努めてきた結果、昨年8月には危険度が1ランク低いⅡ類になっていた。問題は増えたアザラシのうち約6000頭が襟裳岬周辺だけに集中し、深刻な漁業被害をもたらしていることだ。アザラシは、サケの定置網漁の網の中に入り、頭や腹の一部だけを食べる「トッカリ(アイヌ語でアザラシ)食い」をする。食いちぎられたサケは売り物にならず、昨年度の被害額はサケだけでも約3000万円に上り、タコなども含むと約4500万円にもなる。網のサケがほぼ壊滅状態になったケースもあった。このため漁業者らは、被害が軽減されるまでアザラシを減らすよう求めてきた。

■方針一転

環境省は専門家らと検討を重ね、昨年6月、年40頭を上限の捕殺することを決めた。ところが12月に就任した石原環境省は、捕殺実施を目前にした今年5月上旬に≪待った≫をかけた。「絶滅危惧種を捕殺するのは筋が通らない。あいまいな捕殺をすれば動物愛護団体も納得しないだろう」と話し、同省職員に対し、捕殺が漁業被害の軽減にどうつながるのか、科学的根拠をもっと集めるよう指示した。
寝耳に水の方針転換に地元の漁業者らは反発。5月14日に開かれた同省の説明会では、「話が違うじゃないか」「我々の生活はどうなるのか」など怒号が飛び交った。


定置網漁は」今年も8月下旬から始まる予定だが、えりも漁協の越後啓之参事は「最近のアザラシは知能が高い。親が子どもに定置網の荒らし方を教え、訓練までしている。被害は拡大するばかりだ」とため息をつく。「ゼニガタアザラシは絶滅危惧種だというが、このままでは我々が絶滅してしまう」と危機感を募らせている。

■音波で撃退?

捕殺の代替策として、環境省は今年度、アザラシが嫌う音波を発する装置を80個準備し、全ての網に仕掛ける。ただ、この手法は昨年度もやってみたが効果はなかった。アザラシは、装置が仕掛けられた網を避けて別の網を荒らすようになった。すべての網に仕掛けたところ、どの網も均等に荒らし、被害は元に戻ってしまったのだ。
地元でアザラシの生態を研究している東京農業大学の小林万里准教授(海生哺乳類学)は「アザラシは音波が苦手だが、いずれ体が傷付けられることはない、つまり死ぬことはないと学習する。被害の範囲は個体数の増加とともに広がっている。漁師とアザラシが共存するには捕殺を実施して個体数を管理する必要がある」と指摘する。




我々の血税でアザラシを増やし、我々の血税でアザラシを殺す。おかしいと思いませんか。
石原環境大臣頑張って下さい。

by riz1021 | 2013-08-05 19:32 | 動物
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